2011年05月01日

少々被災してました

2011年03月11日(金)の東日本大震災で、仙台にて見事に被災していました。

と言っても海沿いではないので、実質困ったのは2週間程度ですが。

とはいえ、近代日本では初めての広域被災だったため、色々と苦労はしました。

まず避難所に居ない人の所にはなんの助けも来ないこと。

うちは幸いにも家も無事だったので自宅にいましたが、何もしなくてももらえたモノは町内会の人が炊き出しした小さなおにぎり二つだけ。

どんな事態でも3日堪えられれば何とかなると思っていましたが、今回の震災については、堪えているだけではどうにもなりませんでした。

能動的に動き回れば、炊き出しとか仮設給水とかはあったみたいですが、うちみたいに近所付き合いをおろそかにしている家にはかなり厳しい感じでした。

近所付き合いが希薄でも、仙台はなんだかんだ言っても田舎なので、それなりに上手いこと行きましたが、首都圏で同じ事になったら暴動必至な気がします。

また、コンビニは初日に在庫放出してそれっきりですし、大手スーパーは何処も数時間待ちで日中のみの営業。

うちは、幸いにもそれなりに物資があったので奔走しませんでしたが、家に物が無い状態で地震にあったら、まず、コンビニで物資を買っておくのが良いと思います。
(初動が遅れれば遅れるほど物資の入手は困難になります)

で、インフラ関連で困ったのがまず電気。

電気=情報の現代において停電になると情報が入手できなくて身動きが取れなくなります。

まぁ、ラジオとかワンセグとか情報を入手する手段はあるのですが、ラジオは当初地元向けの情報少なかったですし、ワンセグは言わずもがな。L字テロップはそれなりに役立つ情報もありましたが、ワンセグでは字が小さくてとにかく読みにくい。
いったん制止するタイプのテロップはまだイイですが、流れ続けるタイプは殆ど修行です。

携帯は地震後すぐは使えましたが、夜には使えなくなって、次につながるようになったのは3日後ぐらい。
使えるのもパケット通信だけで、それもかなり遠くのアンテナを捕まえているようで、1時間でIS03の電池が満充電から40%に減るぐらい急激に電池が減るので、基本的にケータイは電源OFFにしなければやっていけませんでした。

また、夜は全くの暗闇なのですが、幸いにもLEDライトを何本か持っていたため、そんなに困りませんでした。
(豆電球系は燃費も電球自体の寿命も短いため、震災ではLEDライトが有利でした)

ただ、地震で部屋の中がかなりシャッフルされるので、ライト類は置き場を分散して、なるべく壁からぶら下げて置くか、引き出しの中に入れておいた方が見つけやすいと思います。
(ベッドサイドに置いていたヤツは落ち着いてからあり得ないような場所から発掘されましたし)

まぁ、4日とちょっとで電気が復旧したのでそれ以後は情報も明かりも手に入るようになりましたが、それまではこちらで買いだめしてあったeneloopとモバイルスティックブースターがあったのでなんとか持ちこたえることが出来ました。
(4日目の段階で半分ぐらい使い込んでいたので買い増ししてなかったらと思うとぞっとします)

そんなこんなで地震発生直後は情報は足で稼ぐしか無いわけですが、信号が消えていることもあって幹線は何処も大渋滞。
しかもガソリンの補給の目処がないため、日々行動範囲が限られていきます。

公共交通機関では地下に埋まっている地下鉄と、バス以外は全滅。

ただし、タクシーだけは燃料が天然ガスだったこともあり、毎日拾えれば乗れる感じでした<ただ、被災当初はさっぱり見かけなかった気がしますが。

そう言うわけで結局情報は徒歩で稼ぐことになるのですが、とりあえず平和なうちに、情報が張り出されそうな地域の公民館が何処にあるか調べておいた方が良いです。

うちでは幸い公民館が近くて、そこの掲示板で水くみ場の場所が分かったので良かったですが、公民館が遠かったらもっともっと苦労していたと思います。

そう言うわけで次に困ったのが水です。

震災直後に帰宅したら幸いにも水が出たのですが、「そのうち絶対に止まる」と思い、鍋などに汲めるだけ汲んでおいたので最初3日間ぐらいはそんなに困りませんでした。
(初日に水が出ていたことに安心して汲み置きしなかった人は車で水が出るところを探して奔走していたようです。この水くみは本当にナイス判断でした)

また、トイレは水が止まってから早々にビニール袋を置いて紙類をそちらに捨てていたので、風呂のくみ置きで十分流すことが出来ました。

(近くの小学校のプールからガンガン汲んでいる家もあったのですが、食料自体が入手困難な中で無駄な体力は使いたくなかったので。)

しかし、3日経っても水は出ず、くみ置きも買い置きのペットボトルの水も少しずつ減ってきてだんだん厳しくなってきました。

ただ、幸いにも4日目には近くの公園で水が出る事が分かったので、それを汲んで自宅の水道で水が出るまでの2週間なんとか耐えることができました。

(と言うか、給水車が全然来ないので何でだろうと思ったら、水くみ場があったという罠。給水車が全然来ない場所には絶対水が出ているところがあるので探しましょう。)

また、水くみはかなりの重労働なので、事前にキャリーカートやキャリーバックを見繕っておくと良いと思います。
(18リッターのポリタンクは大人でも長距離を運ぶのは大変です)

あと、誤解している人も居るかも知れませんが、給水車が来ていても入れ物は要持参です。
(今回の地震では給水用のビニール袋に入れてくれるのは、入れ物すら用意できない沿岸部限定)

そんなわけで、1.5〜2リットルのペットボトルは水汲みの時に凄く役に立つので、大地震直後には空のボトルを確保するためにもコンビニなどで優先的に2Lのお茶類や水を入手しておくと良いと思います。

次に食料ですが、冷蔵庫のモノを腐りそうなモノから消費することで辛うじて食いつなぐことが出来ましたが、電気復旧まではカセットガスだけが唯一の調理器具だったので、かなり食べられるものが限られました。

熱を通さないと食べられないものはかなりあるので、カセットガスは少なくても3本は買い置きしておくと震災時には安心だと思いました。

というか、電気と水の目処が立つまでは安定的に米が食べられないので、それらが確保できるまでどう食いつなぐかが震災時のポイントだと思いました。

(それらが確保できると今度は米をどう入手するかが悩みどころですが、こちらは普通に買い置きしていれば、買い置きが切れるまでには普通に入手出来るようになる感じです)

また、今回は春先で気温もかなり低かったので、食べ物が余り傷まずにこの面では助かりましたが、これが真夏なら、食中毒や餓死者もそれなりの人数出ていたのではないかと思います。

電気や水、ガスについては長期保存品を割と容易に用意を出来ますが、意外と食べ物は長期保存品を用意しておくのは大変かも知れません。
(非常食も1食2食は何とかなりますが今回苦労した4日分をいつも準備しておくのは骨が折れます)

米に比べればまだ乾麺の方が調理が楽ですので、パスタ等を常備しておくと安心できるかも知れません。

また、電気が復帰すると電子レンジや炊飯器、HI調理器具、それから忘れがちですが自動販売機が復帰するので、かなり食料の調達が楽になります。

とりあえず、電気が復帰するまでどうするかを考えておくと備えとしてはいいかも知れません。

また、うちは石油ボイラーだったので、水が復帰すればお風呂に入れましたが、ガスは今回一番時間が掛かったので、ガスが重要なインフラの場合には、色々と考えてく必要がありそうです。

お風呂、というよりは洗髪をしないと1週間ぐらいでかゆさの限界を迎えたので、ある程度水の目処が立ったら頭を洗うための方策を考えておいた方がいいかもしれません。
(夏場は水でも何とかなりますが、冬場は水じゃ辛すぎるので・・・)

燃料関係は津波港湾関係が壊滅したのが一番の原因だったので、今後の地震でこのクラスの燃料不足になることは少ないんじゃないかと思います<東海連動系が来たら分かりませんが・・・

自転車はパンクが多かったので、ちょっと微妙でした。
地震直後は段差とか破片とかいっぱいな状態なので、無いよりはマシですが過信は禁物な感じです。

あと、災害関係の仕組みですが、NTTの災害時伝言ダイヤル(171)はゴミです。
滅多に掛からない上に録音が24時間しか持たないとか、そもそもひかり電話は停電中は電話できないので携帯から吹き込もうと思ったら拒否されるとか散々でした。
結局、停電復旧後に一度吹き込んでみましたが、既に連絡大体取り合った後だったので全く役に立ちませんでした。

また、Webの171サービスはもっと酷く、まず利用規約が出て来る段階でアクセスを諦めました。
災害時に利用規約とか何処まで平和ボケしているのか。

また、スマホに変えたばっかりで携帯の災害時伝言板系サービスも使えず。

結局一番役に立ったのは、Google Person Finderで、これで探してくれていた親戚とも連絡が取れましたし、自分の情報も掲載出来ました。

こういうレベルの対応は日本企業には無理ですね。

あと、役に立ったモノは携帯メールとTwitterです。

特にTwitterはハッシュタグでの情報収集や心配する知り合いのために近況垂れ流しツールとして大変役に立ちました。

てか、結局アホな規制が多い国内の仕組みは意味がなかったのでこんなのに金使うぐらいなら、義援金に回してください。

と言うか、結構悲痛なメールが来ても個人情報保護法のせいで住所知らない人とかがいて、参りました。
個人情報保護法は災害時に個人を物理的に殺しかねない(多分今回結構殺してる)ので、さっさと撤廃してください。マジヤバイ。

あと、意外に役に立ったモノはDSテレビ

携帯でワンセグを見るとあっという間に電池が無くなりますが、DS Liteでワンセグを見るとフル充電で4時間以上TVが見れます。

しかも、DS自体フル充電のままで放置してても殆ど電池を消費しないため、災害時にもかなりの電池が残っている状態で、家族分かき集めて無充電で4日間情報を入手することが出来ました。

ただし、DSの画面解像度はワンセグの解像度すらないため、文字はかなり読みにくいので、テロップの判読はかなりの館が必要になります。
(一応ドットバイドットにする拡大モードもあるのですが、中央部分が拡大するため、L字テロップの柱部分が読めずに意味が分からなくなることが度々(笑))

あと、通常のDSでは操作していないときは下画面が完全消灯するためそれが電池の持ちに貢献しますが、3DSで利用すると下画面消灯が働かない上、縮小したモノを拡大されるため、より一層画面が見難くなります。

このへんは、3DS用のワンセグアダプタの登場が待たれるところです。
(ちなみに3DSで見ると3時間程度で電池が切れました)

まぁ、その辺を差っ引いても災害時に他の重要な電気を食わずに利用できるDSテレビはお勧めなので、DSを複数台持っている人は1台買っておくと良いと思います。

Posted by Takuchan at 2011年05月01日 21:39 | トラックバック(0)